フ リ ー ズ

就職したての頃は、スーツを買う金もなく
3ヶ月の試用期間は学生服のままで
ネクタイの締めかたも知らない

会社に住み込み
運搬など力仕事の
残業手伝いに
百貨店へよく行かされていた
 
入って2ヶ月ぐらいの頃、某百貨店
で残業中

< デザイナーに
ディスプレイの手本を見せて
   いただくから正面ケースの前に集まるよう >
 
と、売り場主任からの連絡があり全員集合
( 当時、ネクタイ売り場は正面玄関前にあり
             百貨店の顔でした )
 
そこで、デザイナーって指名されたのが
ボクだと知って、ガクゼン
恥かしさと怒りで体中に汗をかき
ネクタイを持ったまま、固まってしまった・・・・

担当営業がその場をとりなしてくれたと思うけど
後のことは憶えていない

でも、1年後にはディスプレイを取り仕切るように
なっているから世の中わからないもんです

ス ー ツ

髪も七三に分けれるくらいに伸びたころ
どうしても スーツを買わなくてはいけない
 
給料は本採用になって、税込 13500円
そこから寮費を払うと残りわずか
スーツは 12000円くらいからで
それに靴、シャツ色々で相当の金額になる

 
そこで、マルイに勤めていた
美人同級生 Hさんに保証人になってもらい
新宿マルイで
すべてを揃えた
 
当時の新宿マルイは若者向け商品がメインで
月賦販売をしていた
貧乏だけど
オシャレをしたい若者は
すっごく助かっていたみたい
 
これで、カッコウでバカ にされなくてすむ
しかし、見かけと裏腹に イイ・カッコウを
すればするほど現実は貧しくなっていく
いつからか、整髪料や下着までをマルイで

買うようになっていた・・・・

慰 安 旅 行 ー1 

初めての慰安旅行は 伊香保温泉

大広間で高御膳を前にして宴会がはじまり
ペースのわからないボクは
注がれるままに 酒を呑み続け
アッというまに ベロンベロン

日頃の鬱憤が溜っているから暴れたかったけど
すぐに気持ち悪くなり何度もトイレで吐き
脳天シビレ 前後不覚
ドテラと浴衣の前をはだけて グッチャグチャ

宴会の後は旅館の ダンス・ホールが定番らしく
無理矢理、引きずっていかれ

ミラー・ボールがグルグル回る薄暗いホールで
誰かにしがみついて
ジューク・ボックスから流れる歌謡曲にあわせ
千鳥足で踊ったはずなんだけど、多分
記憶にない・・・・

すごく、もったいなかった

慰 安 旅 行 ー2 

翌日、榛名湖でボートに乗った

たまたま同期のカワイイ M子が
ボクのボートに乗ってくれて
二日酔いのボクも張り切り
漕いで漕いで・・・・・・・

湖の真ん中あたりへ来たとき
張り切り過ぎてオール受けの金具を水中に
落っことしてしまう

バスへの集合時間になっても二人は帰れず
湖に一艘 ポツンと、とり残され右往左往

貸しボート屋のモーターボートで助けだされ
罰金を上司に払ってもらい
バスになんとか戻ったら
同期の女子たちは白い目で見る
それからボクと M子は村八分に・・・・

その時の M子が相対性理論の彼女に
なってしまったのです

相 対 性 理 論

彼女らしき人ができた
 
デートみたいなものに憧れていたボクには
とっても幸せなことではあった
 
月に一度、映画を見れば
お金が無くなってしまう、で

夜、会社近くの上野公園へ行ったが
公園は アベック天国・・・・

 

ボクに多少の期待はあったんだろうけど
そこでしてしまったことは
本で読んだばかりの
相対性理論を 地面に図を描きながらの解説
 ( 当時ブームでした

 
後日、彼女の友人に呼び出され
< アンタ、いったい何考えてるの!> って叱られ
1年後、触れることなくフラれる
 
これが教訓となることなく
その後、何人かと付き合っても
同じ轍を踏み、フラれ続けました
ミカケだおしネ!って言われたこともあります
純情だったんじゃなく、根性が無かっただけです

昭和の子供たち・やよい町15番地