秋に、ケイゴと○崎の三人で
入社面接を受けに東京へ行った。
上野までは汽車で10時間もかかったが
緊張感はまるでなく修学旅行気分。
噂に聞いた駅弁、信越本線 横川駅の
<峠の釜めし>をムチャクチャ楽しみにしていた。
高校を卒業するまで、修学旅行以外で
他県へ出ることはめったに無く
都会へ行くのが嬉しくってしかたがない。
面接に行くっていうのに
子供じみた情けない田舎の高校生である。
横川の駅で釜めしを買い
嬉々として食べようとしたら
アッ!
ボクは手を滑らせ、床にカッポンって感じで
釜めしを完全さかさまに落っことしてしまった。
コロコロ転がるウズラの卵・・・・
独りだったら、なんとかして食っただろうに
楽しみにしてた釜めし・・・・・。
涙を飲んで処分したけど
二人が美味しそうに食べてるのを見てても
腹が立ち、腹が減るばっかり、しかたなく
若者のバイブル、 平凡パンチ を出して見てたら
○崎に<イッチャマサンってスケベね!> って
キツク言われ、またガックリ・・・・。
しかし、禍福あざなえる縄のごとし
この後イイことが待っていた。
結局、この会社は三人とも断ってしまったが
もし、ケイゴと一緒に入社してたら
どうなっていたんだろう・・・・
今でもときどき妄想する。
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