ある日の早朝
オヤジが、竹刀を 2本 持ってきて
< 外へ出ろ > って言う
< オマエ等、剣道強いんだってなァ
かまわん、かかってこい!>
と、ボクに竹刀をわたし 構えた
< ほんとにいいの? >
< かまわん! こい! >
ボクは、オヤジの竹刀をはらい
思いきり面に打ち込んだ
ビシッ!っていう音が静かな朝に響く
オヤジは微動もせず、ボーゼンとした顔で
< 強いな・・・ >
ポツンと言い残し家へ入っていった
ボクは自分の竹刀を持ったまま
しばらく外に立っていた・・・・
これは、親を見向きもしなくなった息子と
コミュニケーションとろうとした
オヤジなりの、やり方だったんだろう
後年、ボクは 剣道2段の中学生の息子に
オヤジと似たようなことをして
遠慮なく、さんざん打ちのめされ
アザだらけになる・・・・
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