高校に入ったら、 親は無理して玄関を改築 2 帖半のボクの部屋を作ってくれた ベッドまで買ってもらい ボクはすっかり イイとこのボッチャン気分 ボクはここで 勉強をするフリをして 平凡パンチをこっそり見たり 美術部の絵をテキトーに描いたり レコードをかけたり、ラジオを聞いたり アキラやカワとお金を賭けてバクチをしたり タバコを吸ったり、酒を呑んだり 友だちとバカ話をしたり・・・ 親の心、子知らず・・・・ ロクなことをしてなかった 女の子だって何人か遊びにきたんだよ
部屋を作ってもらった時に 買ってもらったベッド フランス・ベッドの 二つに別れてて、折りまげれば 椅子にもなるっていう最新型 まっ赤、赤の柄入り あの頃の文化的なものは目立つよーに 派手じゃなくっちゃいけなかった フワフワしてて、よく揺れて なれるまで寝覚めが悪く、気持が悪かった あれは一種の船酔いだったんだろーね
誰もいなかった土曜の午後 カワ イとアキラ が 一升瓶をぶらさけて遊びにきた 調子にのってボクたちは お酒を燗し 平凡パンチの芸術的ヌード写真を 壁いっぱいに貼り キャバレーみたいやのー なんて、たわけたことをほざいて バカ話をしながら 一杯やってたら 突然、オヤジが帰ってきた 三人が 酒をかくしたり、ヌード写真をはがしたり 窓を開け煙を外へ出したりのスピードは 尋常ではなかった そんな集中力が、勉強や部活で 発揮できてたらと シミジミ思う
昭和の子供たち・やよい町15番地