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美術部の後輩 K子 は
ヤス に惚れていた、らしい
ヤス の卒業が近づき
彼女もそれなりに思いつめたんだろう
< ヤス さん、映画のチケットがあるんだけど
,,,,,,,,,,,,一 一緒に観に行かん? >
と、けなげに誘ったのである が
< 行かん! > とアッサリ断られた
それを間近で見ていたボクは 同情し
< オレと行こう! >
と、そのチケットで第一劇場へ行き
< サウンド・オブ・ミュージック >
を 一緒に観た
K子 は可愛いけど関心のなかった ボクは
一人、映画に没頭
彼女の哀しみは そっちのけで
ジュリー・アンドリュースに夢中になってた
これが女の子と観た、はじめての映画
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K子 の件は他人事ではない・・・・
卒業式も終わり、就職も目前
気弱なボクもあせり、意を決して C子に
トヤマで映画を観ませんか
駅で待ってます・・・・と手紙を出す
当日、オヤジのジャケットを着たボクは
駅前でパチンコをしたりしながら
ソワソワ、ドキドキ、イライラ・・・
二時間半も前から待っている
遠くに 制服姿の彼女が見えた時は
死ぬんじゃないか、ってほど心臓がバクバク
天に昇りそうな ボクに
< 今日は用事があって行けません・・・>
ガーー--ン!
ヤケクソで 強引にプラット・ホームへ連れ出し
パチンコで取ったチョコレートを食え
なんて訳のわからんことを言いながら
トヤマ行の電車を待ってると
向かいのホームに電車が止まり、去った後の
目の真ん前に アキラが立っている!
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マズイ と思った瞬間
あのバカは ホーム中に響く、大っきい声で
< オーイ! イッチャマー、どこ行くがー >
死にたくなった・・・・
緊張感、高揚感、挫折感、失望感、絶望感・・・
グチャグチャ気分で
トヤマのタカラ劇場で観たのは
大好きな オードリー・ヘプバーンの
< マイ・フェア・レディ >
彼女とまともに喋ったのは、この日が初めてだった
( まともったって、シドロモドロだったけど )
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