映 画 - 2

美術クラブの後輩 K子 は
ヤス に惚れていたらしい

先輩のヤス の卒業が近づくと
彼女もそれなりに思いつめたんだろう

< ヤス さん、券があるけど映画見にいかん? > と

けなげに誘ったのであるが
< いかん! >とアッサリ断られた

それを間近で見ていたボクは同情し

< オレと行こう! > と、一緒に第一劇場へ行き
< サウンド・オブ・ミュージック > を観た

K子 は可愛いけど関心のなかったボクは
一人、映画に没頭、
彼女の悲劇はそっちのけで感動し
なんでオーストリアに生まれなかったんだろう
なんて思っていた

これが女の子と観た、はじめての映画だった。

映 画 - 3 ( 初めてのデート )

K子 の件は他人事ではない・・・・

卒業式も終わり、就職も目前
気弱なボクもあせり、意を決して C 子に
3月12日、駅前で待ってます、と手紙を出す

当日、ボクは不安で不安で、パチンコをしたりして
一時間も前から
待っていた

制服姿の彼女が見えた時の心臓は
富士山の噴火状態


天に昇ってるボクに
< 今日は用事があって行けません・・・>

ガーーン!
ヤケクソで強引にプラット・ホームへ連れ出し
パチンコで取ったチョコレートを食え
なんて訳のわからんことを言いながら
富山行の電車を待っていると
向かいのホームに電車が止まり、去った後の
目の真ん前にアキラが立っていた!

マズイと思った瞬間
あのバカはホーム中に響くようなでっかい声で
< オーイ! イッチャマー、どこ行くがー >

死ぬ思いだった

気まずい感じで富山のタカラ劇場で観たのは
< マイ・フェア・レディ >

彼女とまともに喋ったのはこれが初めてだった。
( まともったって、シドロモドロだったけど )

昭和の子供たち・やよい町15番地