|
|
|
|
|
|
|
成 績 |
|
|
|
|
|
|
ボクは自分の成績も他人の成績も
まるで興味がなかったけど
ヤスイは通信簿の点数をヤマダとかケイゴに聞き
よく比較していた
学期が上がるにつれ上位の者に
聞くようになっていったみたい
最初は、なんでボクに聞かないのかなァ?
なんて呑気に思っていたけど
限りなく下位にいるボクに聞いても意味が無い
ってことに気づくまで少々時間がかかった
世の中、やっぱりそういうものである
アサノは、同級生の中で
唯一、将来の明確な目標を持っていて
学科も実習も違うレベルでやっていて
クラス内での成績は意に介さず、超越してた
ボクはクラス内で意に介されてなかった
|
|
|
|
|
|
考えるフリも続かず
眠くなる
|
|
|
|
数 学 - 1 |
|
|
|
|
|
|
|
|
自慢じゃないが
数学の試験で1点もとったことがない
3年間で・・・
であるから試験中、ヒマでしかたがない
でも、せこいボクは少しでも考えた形跡を
答案用紙に残そうと
どうでもいいことを書いては消し、書いては消しの
よごし作業にいそしんでいた
そんなわけで、常に追試験を受けていたんだけど
当初はなにかの選抜試験だと思いこんでいた
初めての時、隣にうちのクラスの女子がいたから
< アンタも選ばれたの? > って
アイソのつもりで言って無視された
その後、数学の追試会場で
同級生に会うことは無かった
当然、追試もすべて 0点
二年の末には落第の瀬戸際に立たされ
数学の進級試験を受ける羽目になる
さすがにこの時は前夜一生懸命、勉強
史上初の38点を取り
やればできるだ!万歳!
と大きな自信をもったが
いつでもできる、で
卒業するまでズーッとやらなかった
|
|
|
考えるフリをしながら
あらぬ夢の世界へ・・・
と、手がはずれ
驚いたニワトリみたいに
周囲を見回す・・・
|
|
|
|
|
|
|
数 学 - 2 |
|
|
|
|
|
|
|
そんな、数学の授業はつらいもの
うしろの席で小さくなっていたけど
時々、問題に答えなくてはならない時のために
トラの巻は買ってそなえていた
何度かは、うまくいった
しかし
前へ出て黒板に解答を書け!って言われ
トラの巻を持っていくわけにいかず
黒板の前でチョークを握りしめたまま
汗をかき、固まる
永遠に続くような針地獄
ひっぱたかれて 終わるんだけど
さらしものはツライ
早く ひっぱたいてほしかった
デザイン科には数学は無いって
聞いていたのに・・・
|
|
|
|
|
|
数 学 - 3 |
|
|
|
|
|
|
|
そんなわけで
数学の授業がイヤで
意を決して何度か
逃亡を試みたが
アキラに大声で叫ばれ
あわてて教室に戻った
意気地の無いボク・・・
|
|
|
|
|
|
|
数 学 - 4 |
|
|
|
|
|
|
一年の時の数学担当は
温和なオジーサンっていう感じの先生
何度も、職員室に呼び出され
何度も、勉強がいかに大切か、説教っていうより
優しく我慢強く説いてくださったのに
アホなボクには ぬかにくぎ
最後は
< キミはボクをバカにしてるのか!>
と、怒らせてしまう
雪の降る下校時
古い外套を着て歩いている先生を見かけ
アホなボクでも ちょっと胸が痛んだ
その年で退職されたらしいけど
後に聞くと
この学校にはもったいない、学者で教育熱心
高名な先生だったらしい
先生には、申し訳ない思いでいっぱいです
だったら勉強すればいいのに・・・・・
|
|
|
|
|
|
|
|
昭和の子供たち・やよい町15番地
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|