弟と銭湯へ行くたびに
デザイン科がいかにイイ所か
女の子にモテるかを
吹きまくる
＜ ハーレムみたいやぞー ＞
＜ ハーレムって何？ ＞
＜ 女にモテまくる所や・・・ ＞
言ってたボクはミジメだったが・・・
弟は、そんな兄のウソ八百を信じ
少し尊敬してたらしい

彼がデザイン科へ入学して
そんなウソはすぐにバレてしまう

女の子
三人寄れば大声で男の話
それも先輩や、若い先生
といった年上ばっかりで
近くにいる同級生には目もくれない
って感じ
バカにしやがってコノヤロー
まるっきり相手にされないボクは
ひがんでいた
っていうより、怖かった・・・
でも、あれは絶対、女の見栄
だったんだ・・・・

　明朗快活で何のこだわりもないアキラとは
早々から親しくなっていた。

　2 年生の はじめだったか
体育の時間に運動場で持久走があり
走り終えた男子が階段で女子が走ってるのを見ていたときに
アキラになにげなく
＜ あそこを走ってる可愛い子もうちのクラスの子 ？
　　　名前なんていうんだ ？＞
って聞いたら
＜ アホなこと言うな！トボケてんじゃないよ！＞
って、叱られた。

　中学時代は同級生の名を覚えることもなく
高校に入っても殻に閉じこもりがちだったけれど
これが契機だったのか、どうなのか
この頃から他の男子とは、まあ、普通に話せるよう
努力したのか
女子とは、まだまだ無理・・・・。

昭和の子供たち・やよい町15番地