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昭和38年、元旦から降りはじめた雪は
アッという間に玄関をふさいでしまうほど
積もってしまった。
学校での新年祝賀式は中止
それだけは喜んでいたけど
雪は降りやまず、それからは除雪の毎日。
屋根雪を降ろしたら、家の前の路地の雪は
屋根より高くなってしまう
雪の持って行き場が無い
隣の用水も、空き地も雪の山。
景色が雪ですっかり丸くなってしまった。
トーチャン、カーチャン、ジーチャン、
バーチャン、アンチャン・・・
町内住民総出で夜中まで除雪作業をする。
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雪に埋もれて家の明りも見えず、うす暗く、
ただただ寒い中、家を発掘してる感じ。
2 階から出入りしている家もある。
固く締った雪をノコギリなんかで切り出し
ソリ に積んで千保川まで捨てに行く。
馬に引かせている所もあったけど
やよい町はすべて人力。
ある地区では完全に閉じ込められ
自衛隊が救出活動をした。
白い悪魔って、この時の雪
これを教訓に除雪の機械化が始まったらしい。
■ 雪を切り出して運ぶのは、エジプトのピラミッドの
労働者みたいで面白がっていたけど、年配者には
大変な負担だったと思う。
便所の汚物の回収はどうしてたんだろう?
この頃はバキューム・カーになってたけど車が動ける
ような道路状況ではなかった。
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冬の快晴の日、放射冷却現象で気温が下がって
しみた朝 は手足が痛いほど冷たい。
積もった雪も表面が凍り、朝日をあびて
キラキラ輝いている。
登校するとき
田んぼの上を真直ぐ行けばずいぶん近道になる。
当然、ボクたちは田んぼの しみた雪の上を
忍者の気分で歩く。
片方の足に体重をかけないよう
サッサッサッの足さばき・・・・が
たいがい途中でズボッと ガボル ( はまる )。
一度 ガボル と、どうしようもない。
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地獄の雪中 ほふく前進・・・
ズボンについた雪や長靴の中に入った雪が
体温で溶け、手足はメチャクチャ冷たいけど
ラッセルしてるから汗が吹き出し
体中、グッチョグチョ、ハアッハアッ 荒い息で
対岸の道路になんとか這い上がる。
それでも懲りずに しみた日の朝は
田んぼの雪の上を歩く。
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