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ク リ ス マ ス ・ ケ ー キ - 1 |
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クリスマス近くになると
毎年、映画のオッチャンが
大っきいケーキを届けてくれた
( 駅前の映画館の支配人でカ-チャンのイトコ )
ベレー帽に蝶ネクタイで
いっつもニコニコ笑ってる人だった
だから、普通の貧乏でも 24日の夜は
お金持ちみたいにケーキのローソクに火をつけ
( 仏壇の細いローソク )
電灯を消し、ゆらぐ灯りの中で
明日の朝、どんなプレゼントが来るのか
話たりしながら、
ボクたちは至福の一夜を過ごせた
ケーキに合わせて
いつもよりゴチソウをカ-チャンは奮発
スキ焼きだったこともある
ほとんど肉の入ってないスキ焼きだったけど・・・
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ク リ ス マ ス ・ ケ ー キ - 2 |
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ト-チャンの知り合いから
クリスマス・ケーキが送られてきた
ボクたちは2個も食べれると大喜びしたが
映画のオッチャンの分は
どこかへ持っていくことになり、ガッカリ
知り合いからのケ−キは
クリスマスまで棚の上に置いてあった
(バタークリームだから長持ちしたんだネ)
24日の夜、ワクワクしながら
箱を開けたら
4 分 の1 ほど食べられていてビックリ
当然、ト-チャンは
誰が食った!って怒ってはみたが
そんなバレバレの悪さをする根性は
ボクたちにはない
おまけにケーキを切ったらしい
ウチには無い洋風ナイフも一緒に入っていて
きっと、これは送った家の子が
自分たちが食べたことがないのに
なんで他の家に送るんだ
で、つい誘惑に負け食べてしまったんだ
可哀想に、と物語を想像し納得
ちょっと申し訳ない気分でケーキを食べた
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サ ン タ ク ロ ー ス |
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教室の掃除中
サンタクロースがいるか、いないかで
K とケンカになった
ボクんちのプレゼントは
実用品か、安っぽいゲームばっかりで
童話みたいに、きれいな包装もしてない
押し入れにプレゼントが隠してあるのを
何度も見ている
サンタクロース ちゃー
トーチャンながいぜー
言ったとたん、涙目の K に殴られ
ボクだけが先生に叱られて
寒い廊下に立たされた
オマエんとこみたいな金持には
サンタクロースが来るかもしれんけど・・・
でも、それでも
サンタがトーチャンで実用品のプレゼントでも
クリスマスは楽しいし
プレゼントは待ち遠しかった
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クリスマス・プレゼント |
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冬休みが始まる日と
クリスマスは同じ日
だから、子供たちは テンションが上がる
親に なんの希望も言えなかったけど
25日の朝、ボクたちの頭の上には
冬用の手袋や帽子、長グツなんかの
プレゼントが必ず置かれている
通信簿の点数が悪いと贈り物はこないぞ!
と、ト-チャンが言っても
点数が悪くったって無いことはなかった
なんであれ、新品がもらえるんだから大喜び
長グツなんかは外で汚れる前に
家ん中で はいて歩いていても、この日だけは
ト-チャンはニコニコしてて怒らない
この年のプレゼントは
トーチャンがイイカゲンに選んだ
耳あてのついた帽子だったんだけど
頭デッカチのボクには小さすぎて
これも結局、弟のものになってしまった・・・
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昭和の子供たち・やよい町15番地
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