昭和33年のトヤマ国体からだろうか
各小学校に鼓笛隊ができて
なにかにつけ、パレード
指揮をする生徒を先頭に
大太鼓、小太鼓、アコーデオン、笛なんかの
50人 ほどが ドンドンピーヒャララ ♪
＜ トヤマ県民の歌 ＞ や ＜ 校歌 ＞を
演奏しながら堂々、誇らしく練り歩く
ハイカラなものだったから隊列が来ると
町の人は外へ出て見物していた

ボクのヨレヨレとは違い
みんな真っ白な運動着で、パリッとしてて
当然、運動会でも花形・・・・
それなりの生徒が隊員に選ばれてて
ヘタレのボクが選ばれるわけがない
親を喜ばせるような
子供じゃあなかったなァ

運動会・・・・
前の夜は嬉しくって
寝れない子もいたけど
ボクはユーウツで
寝れない子
　＜ 雨になってくれんかのー ＞
願いむなしく
ピッカピカの秋晴れ
ぼくらの頃は生徒がいっぱい
全校で 2000人程もいる
ギューギュー詰めの運動場で
全員整列
前へ ならえ！
横へ ならえ！
　　　　

運動場は、生徒で はちきれててて
そんな中で真面目に走る100m走
走る前から心臓はドッキンドッキン
おなかが変になりウンコがもれそう
スタート・ラインに並ぶと
心臓はノドのへんまで出てきてて
息が苦しい
目の前が暗くなってくる
　

ピストルの音で
ひっくり返るほど、おどろき
あとは無我夢中、気持と体が
バラバラになったまま
けつまずいたようにして走る　　　　　
華やかで哀しい運動会・・・・

運動会の例外は
6年生男子だけができる騎馬戦
これだけは楽しかった
200人余りが紅白に別れ
ハチマキ を取り合う
雄叫びを上げて、ぶつかった後は
グッチャ、グチャ
ハチマキなんか、どーでもよくなり
コーフンして、やりたい放題
終了のピストルが鳴っても終わらない
先生にマイクで怒鳴られるまで・・・
　

鼻血やコブ、ヒッカキキズ、
怒っているやつ、泣いているやつ
色々あるけど ヘナチョコのボクでも
充実感でいっぱいだった
危険だからって 今はやらないらしいけど
すっごく健全だったよね

昭和の子供たち・やよい町15番地