教室のガッチリとした
木製の机や椅子。
古いから キズだらけ
天板が反っているのがあったり
ギシギシ ゆれるのもある。
重いから、掃除の時は
動かすのが大変。

　給食の残りや
悪い点数の答案用紙
ヘビの脱けがらなんかも
入れっぱなしにしてて
机の中は汚くって、くさい。
天板の開け閉めの バタンバタンは
ずいぶんウルサイんだけど
家へ帰る時の バタンバタンは楽しい。

　なんでもひとつ
特技があれば人気者。
勉強はもちろん、体育でも
ケンカでも、給食の早食いでも
なんでもかんでも。

　廊下の拭き掃除だって
いっつも、真剣に競争。
古い校舎だから 床がささくれてて
大きなトゲで血だらけになっても
何かひとつでも 人より秀でた人間になれ
って、先生も言ってたし・・・。

　給食は、家の夕食よりズーッと美味しい。
脱脂粉乳は嫌いな子が多くって、ずいぶん残るから
何杯も飲んでたけど
好きな女の子が配膳係をしてる時は
おかわりを言えないんだなぁ。

　コッペパンにマーガリン、ミルク
クジラの竜田揚げやアジのフライ
っていうメニューが多かった。
高学年になって牛乳が時々出るようになり
この味には感動。
先生は、よくかんで飲めって言ってた。

　通信簿は
年に3回、学期末にもらう。
その後は休みだから
嬉しさ半分、怖さ半分。
名前を呼ばれて、受取り
見られないよう、小さく開いて
のぞきこむ。

　1 から 5 までの評価で
5 があったりすると
思わず顔がゆるんでしまう。　
けど、ボクの通信欄には 必ず
ひ弱だとか協調性、積極性が無いとか
ダメ出しがあった。

　どこへも寄り道しないで 家へ真直ぐ帰れ！

授業が終わると、先生に毎日言われてた、
学校の前の駄菓子屋をのぞいてみたいし
運動場で遊びたいし
友だちの家へも行きたい。
でも、叱られるのが恐いから
とりあえず急いで家へ
ランドセルを置きに帰る。

　今日の下校時は借りたマンガを返すのに
カズちゃんが来るのを待っていた。
学校へマンガを持って行くのは
禁止だったんだけどね・・・。

昭和の子供たち・やよい町15番地