大 掃 除

家族総出で大掃除
役に立たない弟や妹も手伝う

部屋中にハタキをかけ
雨や雪が降っていなければ
タタミを上げて外へ出し
床板に白い石灰をまき
新しい新聞紙を敷き詰め

外で竹の平棒でパンパン叩いた
タタミを敷き
そのタタミの上に湿けった茶ガラや
濡らしてよくしぼった新聞紙を
細かくちぎったものをまいて

ホウキで掃き取る

窓ガラスも濡れ新聞紙で磨きピッカピカ

カーチャンが障子を張替え、真っ白
薄汚れた狭い部屋も、明るく広くなる

最初は面白がってワイワイやってるけど
そのうち飽きてくる、疲れてくる、叱られる・・・

掃除の後は 日の出湯へ行き
家に戻った時の爽やかさは、何ともいえない

充実感でいっぱい

お お み そ か

大晦日のカンタンな掃除が終ったら
トーチャンが何を思ったのか
中華ソバの出前をたのんでこい、って言う

中華ソバも、出前も初めて!

ボクは大喜びで近くの食堂へ
キンチョーして注文に行った

夕方から、まだかな まだかな・・・

待ちくたびれた頃にやっと来た

どんな
味だったか憶えてないし
一人に一杯づつ食べたのかも
憶えていない

でも、年越し中華ソバの
大晦日の夜は
今の言葉でいうリッチな気分になって
はしゃいでいたのは憶えている

ささやかな事でも幸せを感じることができた
いい 時代だったのかもしれない

お お み そ か の 日 の 出 湯

年暮れの最後は
家族みんなで 日の出湯へ行って
一年のアカを落とす

どこの家もみんな同じで
日の出湯は超満員

芋の子を洗うような・・・って
こんなんだぁ!ってくらい混んでいる

あちこちで年末の挨拶をする人
場所取りでケンカする人
子供の泣き声
女湯からは <トーチャン出るよー! >
それはそれは賑やか

風呂から上がると脱衣場は
テレビの紅白歌合戦を観てる人で
これまた足の踏み場もない

トーチャンに買ってもらった牛乳を飲み
ボクたちも紅白歌合戦を観てから
雪の降る中、家へ帰る

布団に入っても
明日は新年だー、って思うと
なんか嬉しくって、なかなか寝つけず
除夜の鐘を数えながら弟と騒いでいたら
トーチャンに叱られた

昭和の子供たち・やよい町15番地