メ ン コ ( グ ン ジ )

ふつうは メンコ って言うらしいけど
ボク等は小さいのを グンジ
大きいのを カード と呼んでいた
色んな遊び方があったけど
大事なグンジを賭け
あらゆるテクニックを駆使し
ズルをしてでも勝とうとする・・・
負けてグンジを取られちゃうと
一ヶ月の小遣いをパチンコでスッたような
悄然とした気分になったもんだ
隣町なんかで勝負するのを
武者修行とか遠征に行く、と言う
たいがい、うちの町内に隣接した
寺の境内が試合場になった
勝ちが続くと、勝ち逃げだと言って

こっちが負けるまで帰してくれない
どーしても帰るってなると、タダではすまず
グンジを返して泣くか

殴られて泣くか・・・ヤクザと一緒
あまりに、ひどいことをすると
町 vs 町の、子供の抗争に発展
これをやってる時は、みな人相が悪かった
クダラナイものに血道を上げるのは
子供も大人もいっしょだね

メ ン コ ( グ ン ジ ) - 2

小さいのがグンジ、戦車や戦闘機の絵柄が
多かったからだろうか
使い札はテンシと呼んでいて
油を塗ったり、角を折ったり反らせたり
工夫し、大事にしてた
これを取られるのは死ぬほど恥ずかしい
大きいのはカード
スポーツ選手の絵柄
円形のはチャンバラ映画なんかの
スターの絵柄が多かったと思う
ボク等はグンジばっかりだった
安かったから・・・・
    

メ ン コ ( グ ン ジ ) - 3

となり町の連中とグンジで険悪になっていた
ある日曜日の午後
親が妹を連れて出かけたのを
これ幸い
家へ町内の仲間 2〜3人を呼び
用水側のガラス窓を外して
となり町のやつらを挑発しケンカ
ボクんちは、となり町に隣接してて
用水の脇道が
やつらの通路
互いに用水をはさんで バリゾーゴンを
目一杯の大声でわめきながら、石を投げつける

ボクんちはボロだから傷がついてもわからない
この戦いは、やつらが通り抜ける側にある家の
マツモトのジーサンに怒鳴られて
突然の終焉をむかえた   
   

ビ ー 玉 ( カ ッ チ ン ダ マ )

ボクたちはカッチン玉と言っていた
これも色んな遊び方があったけど、
オープンな場所でやるせいか
子供の賭け事の中でも
グンジのように陰険に熱くなることは
なかったような気がする
それに、カッチン玉の遠征も
した記憶がない
ラムネのビンに入っているのと同じ

グリーンのガラス玉がベースで
中に模様が入ったカラフルな 色玉もあり
それは 自分のテンシにしていた

カッチーン と音がすると、キラキラと輝いて
玉が飛び散り、オーとか、ウワー
ヨッシャー! って歓声があがる
グンジが陰性なら、カッチン玉は陽性? 

ハセガワのオッチャンが、いっつも
< 子供のバクチはアカン! > って
怒っていたけど
子供のうちに痛い目に会ってるから
大人になっても賭け事に
のめり込まないんじゃないかなァ、と
思ったりして・・・・

昭和の子供たち・やよい町15番地