路地の家のすきま越しに アドバルーンが見える ハイカラな色の風船の下に 宣伝の幕をぶら下げ 青空を背にして ユラユラ ゆれている 2個 浮いていることもある ぶつからないか、ちょっと心配 空に浮かぶアドバルーンだけ見てたら ハイカラなトーキョーの風景みたい
よく晴れた日曜日 セスナが飛んできて、空からビラをまき スピーカーで、何か言っている ボク等は大きな空にまかれた ビラが キラキラ舞いながら落ちてくるのを 真剣になって ひらいにいく 空ばっかり見て走り回るから 側溝や用水にはまったりもする
ビラは、どこかでお店が開店したとか 大安売りなんかの宣伝だったと思うけど ボク等には < セスナがまいたヤツや! >って 自慢の 宝物になる 大人の中にはイヤな顔をして見上げる人もいた アメリカ軍の、空襲前の宣伝ビラを 思い出すんだって・・・・
カバヤ・キャラメルの 宣伝カーが やってきた 日本中を回ってんだって あの、すごい形は 見たことのない怪物に見えて 大人も子供もビックリの大騒ぎ カバヤ・キャラメルのカードを集めると カバヤ文庫の本がもらえた ボクも一生懸命キャラメルを食べ ジャングル・ブックという本を 送ってもらう 届いたときは天にのぼる嬉しさだった カバヤの本を何冊もっているかは 子供たちのステータスになっていたけど ボクはこの1冊だけ
昭和の子供たち・やよい町15番地