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年に一度、天気のいい日に
トーチャンは インガシ(ポン菓子)の店を
家の前で開いた
町内の人が持ってきた米や豆をインガシにする
カーチャンやボクはできたてのインガシに
砂糖をまぶしたりする手伝い
<ドッカーン > とすごい音の出る器械で
インガシを作るトーチャンを
みんなアコガレの目で見るから
ボクはちょっと鼻が高い
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ピンをひっぱたく時はみんなカゴのうしろに集まり
ドッカーンの音とモクモク出る煙りの中、
指で印をむすび
忍術使いの児雷也になる
お金のためにやってたんじゃなかったと思うけど
ボクが中学生になる頃
インガシの器械は釣り竿になっていた
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