庄 川

 泳げるようになったのは
四年生の夏休み
庄川の浅瀬の流れに乗って
気持ち良く浮いてたら

深みにはまってしまい
溺れて

夢中で
手足を動かし
なんとか岸へたどりつけた時に
コツをつかんだんだと思う。
 あの頃の庄川には高い堤防は無く
石ころがゴロゴロした
広い広い河原があって

流れにたどりつくまで
ずいぶん時間がかかった。
なんで、あんな遠くまで
一人で行ったのか
まるで記憶にない。

水 泳 大 会

 六年生の夏
どういうわけか校内水泳大会に

出なくっちゃ ならなくなった。
 オレの海水パンツで、かまわん

っていう、トーチャンに逆らえず
水に入らなくても、ゆるくって脱げそうな
トーチャンのパンツでスタート台に立った。
茶坊主の身投げ、みたいな
飛び込みの写真が残っているけど

その瞬間、ひざのあたりまでパンツが
ズリ下がり、後はひざにパンツがからんで
まともに泳ぐどころか、溺れそうになり
ゴールまで、ずいぶん水を飲んでしまった。
おまけに、ゆるいパンツに空気がたまって
ポッコリ、浮いてたみたいで
みんなにずいぶん 笑われたらしい。
結果はどうだったか、憶えていません。

昭和の子供たち・やよい町15番地