日 の 出 湯

 町内の海水浴の後、子供たちは
メチャクチャ
楽しかった余韻を引きずって
日の出湯に集まる。
真っ黒に日焼けした体を見せあい
パンツの所だけが、異様に白いんだ )
ギャーギャー、ワーワー、大騒ぎ。
親も最初は怒っているけど
あきらめて先に帰り

ボクたちは
そのまま2 時間でも3 時間でも
悪ふざけを繰り返し、グダグダ過ごす。
これがまた、至福のひととき・・・。
  

カ キ  氷 ー 1

 夏休みの、子供の たまり場は
カキ氷のハセガワさん。
 
10円のカキ氷を チビチビ食べながら
ピストルやったらイチコロや

ナーン、そんなことない・・・
ダラか、なーんもしらんがいのぉ・・・
丹下左膳に勝つにはどーしたらいいか
なんていう
妄想をしゃべり続けている。
 子供の格好はどれも同じ
トーチャンやアンチャンお下がりの
ヨレヨレのランニングシャツに半ズボン
靴はすぐ切れる薄いゴム製。

オッチャンは、ステテコに腹巻きで
汗をかきかき、カキ氷をつくる。
店にはハエ取り紙がぶら下がり
野良犬も普通にそこいらにいて
ボクの町内のは、メリーと呼んで
みんなで可愛がっていた。
 ハ
セガワのオッチャンに
いつまで食べてんだ!帰れ!
って、叱られ
子供たちはようやく 重い腰を上げる。

カ キ 氷 ー 2 

 夏に長野のオッチャンが来ると
かならず カーチャンに
白玉金時氷の出前を
たのみに行かされた。 ( 1個だけ
カキ氷にアズキの入ったのは
食べたことがない。
おまけに、白くって丸い
モチのようなものまで入っている。
オッチャンをウチワであおぎながら
どんな味がするんだろ、残さんかなァ・・
なんて、思っていたけど
オッチャンは ウンともスンとも言わずに
いっつも、アッというまに食べてしまう。

夏 の 楽 し み 

 グンバイは氷水の氷を軍配の型にいれて
押し固めミツをかけたもの。
スイカは、塩をチョット つけて食べる。
アマウリは青くさいけど
歯ごたえと、ほのかな甘味がイイ
トマトは今のと違い、大きくって
凸凹で味が濃かった。
カルピスサイダーは高級品で
たまーに飲めるのはラムネ。

トマトキュウリトウモロコシ
オヤツや、ご飯のオカズにもなる。

冷蔵庫の無い時代
みんな、冷えては
なかったけど
ちまちまと、慈しんで
食べたり、飲んだりしたものです。


昭和の子供たち・やよい町15番地