五 箇 山 ( お 盆 )

 8月中旬のお盆の頃は
一週間ほど
カーチャン
の里の五箇山へ行くのが
毎年の行事。
駅から、ディーゼル機関車で 1 時間
バスで山道を 2 時間の行程。
待ち時間をふくめると半日がかり。
当時は日本の秘境といわれてて
町で見かけない虫もたくさんいた。
お墓参りは、みんなおそろい
カーチャンちゃん手づくりの
晴れ着で記念撮影。

家へ帰ると、カーテンが無くなっていた。
 

五 箇 山 ( バ ス )

 バスでの 2時間は大変だった。
夏の暑さと超満員のひといきれの
蒸し風呂状態で (クーラー?あるわけ無い)
バスは険しく、曲がりくねった山道を

苦しい うなり声を上げて登っていく。
対向車が来ると、どちらかが
スリ替えできる所までバック。
バスのネーチャンは
乗ったり降りたりしながら

笛を吹き誘導、テキパキしててカッコいい。
人喰い谷を通り、細尾峠で休憩。
弟は車酔いで、休憩中も吐きっぱなし。

 なんとか到着し、バスを降りると
開放感でいっぱい。
足が地につかないまま
母の実家まで駆けて行く
カーチャンに抱えられた弟は
半死半生・・・。

五 箇 山 ( 与 次 平 )

 五箇山の与次平( 屋号・よじべぇ )では
頑固で、おっかないジーチャンが
奥の座敷で、ステテコ姿でタバコをくわえ
デンと座っている。
バーチャンはお店でバタバタ忙しい。
ミッチャン と トシチャン は
( カーチャンの妹 )

突き出たタバコ販売ケースの後ろで
アイスキャンデーをなめながら
おしゃべりに夢中。
いとこのリュウは
それを黙って聞いている・・・。
与次平の、夏のいつもの風景。

昭和の子供たち・やよい町15番地