五 箇 山 ( カルピス )

 お盆に
五箇山へ持っていくお供えは
家では飲んだことがない
< カルピス >
駄菓子屋で買うワタナベのジュースのモト
とは別格の美味しさ。
おさがりになるのが楽しみで楽しみで・・・
冷蔵庫が無くっても、冷たい山の水で
ケチケチと薄めるだけ薄めて飲んでた。
今でも時々飲むことがあるけど
ラベルのデザインが変わってから
味も変わったような気がする。

五 箇 山 ( 山の音 )

 山の深いところは
シンシン静かだと思われるけど
子供の頃の五箇山の夏の日中は
遠くに庄川の流れの音 ド--ッ
生活用水になる谷水の流れ落ちる音 ザ---ッ
スキーのリフトのような

荷物運搬用の索道(さくどう)の動く音 
カタカタカタ・・・
セミの鳴き声 ミ〜〜ンミンミンミ〜〜〜ィ
町のボクんちより、うるさい。

  夜は庄川と谷水の音だけになるけど、
それが侘びしさを助長するみたいで
音はしてても怖いくらい静かに感じる。
最近は夜中でもトラックが走る。
世界遺産に登録以降は観光客も増え
街道はにぎにぎしくなってしまった。
それがイイのか悪いのかわかんないけど・・・

五 箇 山 ( 麦 屋 節 )

 盆踊りを見にいった。
カーチャンやミッチャン、トシチャンは
当たり前のように、輪に入り踊っている。

今の、観光客に見せるものとは ほど遠い
山の人だけで楽しんでいた
暗くって、静かな盆踊り。
 

  マイクなんか無くって、朗々と唄われる
麦屋節 > や < こ きりこ > が
山の深いところに、すい込まれていく。
町の子のボクには
すっごく、不思議な光景に見えた。

昭和の子供たち・やよい町15番地