トーチャンもカーチャンもいないので 三人でごはんを食べる。 おかずは 干しイワシを焼いたのに漬け物。 いっつも、ちゃぶ台の上は簡素なもの。 妹はちょこっと食べては絵本を見てる。 弟はノロノロいつまでも食べている。 たまーに、ライスカレーだったりすると カレー、カレーと大騒ぎ。 肉がカケラほどしか入ってなくって ジャガイモばっかりでも なん回もおかわり。 動けなくなるほど腹いっぱいになり 三人は大満足。 カーチャンも嬉しそうだった。
狭い家の中は 子供でも息苦しくなることがある。 そんな時は押し入れの 行李や布団にはさまれた暗くって窮屈な空間で 一人っきりの妄想を楽しんだり、 うたた寝をしたり、 トーチャンが隠してた変な本を見たり、 押し入れの隙間から弟や妹を観察したり・・・ 親戚のオッチャンに ミルクキャラメルを一箱もらった時も 一人じめしたくって 押し入れの暗がりに隠し、 毎日一粒づつ、こっそり食べてた。 こんな時にかぎって 金魚のフン の弟は ボクをさがし回る・・・・・・・。
昭和の子供たち・やよい町15番地