山の ふもとに広がった 立野が原 旧陸軍演習場跡の開拓地。 戦争が終わり 復員したトーチャンは とりあえず、ここへ入植した。 間もなく、出先の五箇山で カーチャンを見染めて結婚し ボクが生まれる 軍袴 (ぐんこ、軍用のズボン) にワラジ 逞しい上半身を見せてクワを持つ 30才頃のトーチャン。
子 ヤギと一緒の写真があった。 このヤギ、どうなった? って、カーチャンに聞いたら 鉄砲でつぶし、丸ごと干し肉にして 玄関にぶらさげておいたら お前がいっつもそれを包丁で切り取って 食べていた・・・。
家の前での写真。 手作りの 粗末なバラックだったらしい。 下にいるニワトリも ヤギと同じ運命をたどる。 イイトコの娘で体が弱かったカーチャンが 男気だけで生きていたトーチャンと なんで、一緒になったのか わかんない・・・。
村の人達の集合写真。 笑顔全開。 戦争が終わり、貧しくっても 明るい未来しか見ていない。 しかし 天井から青大将が落ちてくる ボクはそれを振り回して遊んでる っていう そんな環境が イヤだったカーチャンと 短気で,乱暴なトーチャンが 農業にむいている訳がなく ボクが三才の秋、高岡へ出る。 トラックの荷台から 離れていく村をながめていたのが ボクのオボロゲな一番古い記憶。
高岡 の やよい町 で トーチャンの両親の家に間借り。 その年の12月に弟が生まれた。
昭和の子供たち・やよい町15番地